愛知県にある「名古屋港水族館」では、シャチを18年以上もの間飼育しています。海の王者とも言われ、大きな体を使った技の数々は迫力満点。
全国150ヶ所以上ある水族館の中でも、シャチが見られるのは「鴨川シーワールド」と「名古屋港水族館」だけ。
日本では貴重な生きものであることから、シャチ目当てに「名古屋港水族館」へ行く人もいるほど。その人気っぷりは、「名古屋港水族館」では欠かせないアイドルとも言えるほどなんです。
そこで本記事では、「名古屋港水族館」にいるシャチの魅力6選を紹介します。
本記事では、「名古屋港水族館」のシャチにまつわる裏話もあわせて紹介します。ぜひ、最後までご覧ください。
アイキャッチ画像:https://www.photo-ac.com/main/detail/1706947?title=%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%81&searchId=1629764852
名古屋港水族館で大人気のシャチたちを紹介!
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日本では、「名古屋港水族館」と「鴨川シーワールド」の2ヶ所で合計7頭のシャチたちが飼育されています。
実は、この7頭は全て血縁関係のシャチ。そのうち「名古屋港水族館」では、2021年11月時点、3頭のシャチたちが飼育されています。
ここからは、「名古屋港水族館」で飼育されているシャチの名前や特徴を紹介していきます。
なお、「名古屋港水族館」の3頭のシャチたちの名前や性格は、以下のとおりです。
名前 | 誕生日 | 性格 |
ステラ | 1987年アイスランド産(推定35歳) | 優しくて人懐っこい性格 |
アース | 2008年10月13日(13歳) | 温厚でひたむきな性格 |
リン | 2012年11月13日(9歳) | 甘えん坊なおてんば娘 |
リンは、ステラとビンゴ(2014年8月死亡)の間に生まれた第五子です。アースは、ステラの第一子に当たるラビーとオスカー(2012年12月死亡)の間に生まれた第一子。
リンとアースは、遊ぶことが大好き。別で展示されているイルカたちを観察したり、新しい遊び道具を見つけて長時間遊んだりしているんだそうです。
大きな体のシャチですが、元気に泳ぐ姿はどこか可愛らしいですよ。
名古屋港水族館のシャチの見分け方
「名古屋港水族館」のシャチたちって、どれも似たような感じ。見分け方ってあるの?
実はよく見ると、シャチたちにはそれぞれ特徴があるんです。
そこで本章では、3頭のシャチたちの特徴と見分け方を紹介していきます。
お母さんシャチのステラ
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ステラは、3頭の中でも一番年上のお母さんシャチ。他のシャチと見分けるポイントは、以下のとおりです。
- 背びれに切れ込みがある
- いつもリンがくっついて泳いでいる
ステラの特徴は、背びれにある切れ込み。リンがステラと一緒に泳いでいることが多いので、一緒に仲良く泳いでいるシャチがいたら、そのどちらかがステラです。
甘えん坊のリン
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リンは、2012年に「名古屋港水族館」で生まれたシャチです。他のシャチと見分けるポイントは、以下のとおりです。
- 口元(あごの右側)に黒い斑点模様がある
- お母さんのステラとくっついて泳いでいることが多い
リンの特徴は、大きな黒い斑点模様。斑点は大きいので、他のシャチよりも一番見分けやすいです。いつもステラにくっついて泳ぐことが多いです。
日本で唯一のオスシャチ、アース
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アースは、日本で飼育されているシャチの中で唯一のオス。2021年10月には、体長約5.7m・体重約2.7tにまで成長しました。
他のシャチと見分けるポイントは、以下のとおりです。
- アイパッチの先端がお米のように尖っている
- 3頭の中で一番体が大きい
- 背びれが大きく倒れている
アースは、ステラとリンよりも体が大きいので見分けが付きやすいです。
また、オスとメスとでは背びれの大きさや形が違います。オスの背びれは大きく、二等辺三角形になっています。メスの背びれは、オスよりも小さくカマ型をしているんです。
そのため、背びれでもアースの見分けが付きやすいです。
性別によるオスとメスの体の違いに注目すると、よりシャチのことを理解できますよ♪
名古屋港水族館のシャチの魅力を満喫できる北館!
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「名古屋水族館」の施設は、北館と南館に分かれています。シャチがいるのは、北館のプールです。
3階では、メインプールで公開トレーニングが行われ、メインプールの奥にシャチプールがあります。
プールの脇には、アイスランドの初夏の様子に似せた遊歩道があります。遊歩道から、プールに隠れたシャチたちを見られるんです。
2階に降りると、水中で泳ぐシャチたちを見られます。運が良いとアクリル板の近くまで寄ってくることがあり、好奇心旺盛な様子を見せることも。
ぜひ、可愛らしいシャチたちの様子を楽しんでみてください♡
大迫力!シャチの公開トレーニングは必見
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「名古屋港水族館」では、北館の3階メインプールでシャチの公開トレーニングが行われています。
トレーナーの指示にしたがってジャンプしたり、プールサイドに勢いよく乗り上げるライティングポーズを決めたりと、トレーニングの様子を見られます。
大きな体を使って豪快にジャンプする姿は、まさに圧巻。
また、シャチたちの健康管理トレーニングも見られるんです。トレーナーとの信頼関係がないとできない貴重な光景を、ぜひ見逃さないでくださいね。
なお、シャチの公開トレーニングのスケジュールは以下のとおりです。
- 【平日の開催時間】12:00、14:30
- 【土日祝の開催時間】11:30、13:30、15:30
- 【所要時間】15分
大型モニターで水中の様子を1度に見られる!
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ステージ後方にある大型モニターでは、水中でのシャチの表情や動きなどが映し出されます。そのため、観覧席後方でもイベントを楽しめるんです。
実はイベント中、シャチが他のことに気を取られトレーナーの指示に従わないことがあるんです。
そんな時は、大型モニターにシャチの生態に関する映像を交えて解説してくれます。
数多くのパフォーマンスが繰り広げられるショーとは違い、シャチの気分に合わせてショーが進みます。
シャチの公開トレーニングを楽しみたいならプール横がおすすめ!
「名古屋水族館」のシャチたちによるパフォーマンスは、あくまで公開トレーニング。
そのため、ショーを見るというよりもトレーニングの様子を見る感覚なんです。
シャチを近くで見たいなら、メインプール後方にあるシャチプール横がおすすめ♪ 大きな体や、豪快に飛ぶジャンプを間近に感じられますよ!
「名古屋水族館」でしか見られない、公開トレーニングをのぞいてみませんか?
名古屋港水族館が目指すシャチ飼育のスタイル
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「名古屋港水族館」では、イルカのような数多くの技を教えていません。
それは、「名古屋港水族館」のシャチ飼育のスタイルがエンターテイメント要素を強く押し出したものではないからです。
あくまで、「名古屋港水族館」はシャチの繁殖と生態研究をメインとしています。シャチたちの負担を考え、ショーよりも保護を優先しています。
なお、「名古屋港水族館」では「京都大学霊長類研究所」と連携してシャチの生態に関する研究を行っています。
2021年4月3日では、シャチが明暗をどのように認知しているかの実験が行われました。シャチの頭脳に関する謎は多いことから、これからどんな発見があるのか楽しみですね。
「名古屋港水族館」でシャチが展示されるまでには、ある苦難がありました。次の章で詳しく紹介しますね
名古屋港水族館にシャチがやってきた!シャチとの歴史の歩み
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「名古屋港水族館」では、2003年10月にシャチの飼育が始まりました。シャチたちのいる北館は2001年2月に完成しました。
実は、北館のオープンと同時にシャチ飼育を始められなかったんです。
その後、オープンから2年半後に当たる2003年10月に、初代シャチであるクーがやってきました。
相次ぐシャチの死亡に批判の声も
初代シャチのクーは、2003年10月に和歌山県太一町にある「太地町立くじらの博物館」から5年間の期限付きでやって来ました。
クーは愛嬌があり、名古屋市民から大人気でしたが、残念ながら2008年9月に亡くなってしまいました。
その後、2010年6月18日に「太地町立くじらの博物館」から、ナミが繁殖研究のためにやってきました。しかし、体調悪化が原因で翌年1月14日には亡くなってしまいました。
短期間でシャチが亡くなってしまったため、「名古屋港水族館」への数多くの批判が寄せられてしまっていたんです。
ちなみに、「鴨川シーワールド」からオスとメスのシャチが1頭ずつ来る予定でしたが、ナミの死で延期になってしまったんです。
シャチたちの死を教訓に現在の姿へ
「名古屋港水族館」は、クーとナミの死後調査委員会から飼育管理体制の改善が不十分だったことを指摘されました。
飼育環境改善を条件に新たなシャチ飼育を認められ、「名古屋港水族館」では、「鴨川シーワールド」と連携を取りながら、シャチを受け入れるための準備を進めました。
「名古屋港水族館」では死んだ2頭のシャチたちの命をムダにせず、管理体制の改善を実現。2021年11月時点では、3頭のシャチたちが元気に育っています。
【まとめ】名古屋港水族館のシャチに会いに行こう!
「名古屋港水族館」で大人気アイドルのシャチたち。豪快なジャンプと愛嬌のある仕草は、見る人に興奮と癒やしを与えます。
公開トレーニングは、シャチの大きさ・身体能力の高さが感じられるイベントです。
将来、3頭そろってトレーニングしている様子を見られる日が来るかもしれません。
ぜひ、「名古屋港水族館」のシャチたちに会いに行ってはいかがでしょうか? 迫力満点な姿に、思わず声をあげてしまうことでしょう。
ちなみに、下記の記事で「名古屋港水族館」の見どころを紹介しています。シャチ以外にも見どころ満載な水族館なので、ぜひあわせてご覧ください。